2011年5月31日火曜日

アカガシラカラスバト




これは鳩の写真ですが,ご近所にいる鳩と少し違うと思いませんか?

なんか頭が赤くて胸の両サイドが水色にピカピカしてて,綺麗ですよね.
この鳩は「アカガシラカラスバト」という鳩で

小笠原諸島にしか生息していない固有の鳩なんです.


そしてこの鳩さんは今絶滅の危機に瀕しているのです.

父島,母島はじめ小笠原諸島は今も手つかずの自然が残っている観光スポット.

そんなイメージがありますが,

この島々の自然も台風などの自然現象や人間が持ち込んでしまった元々は島にいない

外来動物によって変わってきてしまっています.

そしてこのアカガシラカラスバトは生息数が減ってしまい

今は40~60羽にまで減ってしまっているそうです.



何故当院のブログで急にこの鳩さんのお話をさせてもらっているかというと,

このアカガシラカラスバトの保護増殖事業のお手伝いを当院をはじめ

東京都獣医師会に所属している動物病院が行なっていることを

知っていただこうと思ったからです.

この鳩が生息数を減らしている理由は生息地の森林の変化やネズミとの餌の競合,

猫による捕食,山羊,豚などによる営巣環境の悪化など沢山の要因があります

その猫対策として東京都が野生化した猫を捕獲し
東京都獣医師会に所属している動物病院に分配し,

各動物病院で不妊手術などの医学的処置と人間慣れさせたうえで里親募集をする,

という活動が行なわれているのです.


そして当院に今年の2月にやってきたのがこの「ジョニー」君です.





連れてこられた当初は眼つきも鋭く「ダッ!!ダッ!!シャー」と威嚇,攻撃してきて

流石に野生猫だな,という凄味があったのですが,

3カ月が経った今となってはスリスリ,ゴロゴロの可愛い飼いネコになりました.

ジョニーを引き受ける以前は,

東京都に住んでいながら,まして動物病院で働いていながら

アカガシラカラスバトに関する東京都の取り組みについて全く知りませんでした.

このブログでより多くの方にこの取り組みを知っていただくと同時に

観光に行かれる際の注意点を再確認していただければと思います.

もともとはペットとして飼われていた猫たちが逃げてしまった,捨てられてしまったことから

野生猫の問題が発生したんですから,

動物を飼うということの責任についても改めて考えなおすきっかけにしていただければと思います.



同じ地球上に住む仲間が我々人類のせいで1種でも減ってしまう,絶滅してしまうことは

あってはならないことです.

絶滅とは何十億年もかけ繋いできた命のバトンリレーを未来永劫に奪い去ってしまうことです.

同じ地球に住む仲間として今一度みんなで考えてみましょう.

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