2011年3月22日火曜日

動物達に心のケアを☆☆☆

余震の続く毎日ですが,皆様は大丈夫ですか?
落ち着いた毎日が過ごせていますか?
病院がある世田谷区は計画停電の指定地域から外され,申し訳ないほどに平常な生活,診察が出来ています.
停電はありませんが,節電は地震直後から心がけていて,病院内の照明の一部や,夜の外看板の照明点灯などを控えています.
看板の電気がついていなくても,通常通り朝8時~夜8時に診察していますので,何かありましたらいつでもご連絡,ご来院ください.

今回の東日本大震災では,東京も震度5強というとても大きな揺れを記録しました.
多くの方が経験したことのない規模の地震に本当に驚いたことと思います.
この最初の地震だけでも充分すぎる恐怖を感じたのに,その後の余震,停電などで飼主の皆様はなかなか落ち着けない日々を送られているのではないかと思います.
でも,今回の地震では,我々人間だけでなく動物たちも大変大きな恐怖を感じ,不安な気持ちを引きずっている可能性があります.
皆さん,よくPTSD(心的外傷後ストレス症候群)という言葉を耳にすると思いますが,これは人間だけではなく,ワンちゃんネコちゃんにもみられる事なのです.

例えば,今回の地震の後から小さな物音に過剰に反応するようになり不眠状態になってしまったり,
食欲がなくなったり,食べても吐いてしまったり,下痢してしまったり.
何にもないのに常に小刻みに震えてしまったりというような症状が見られたりしていませんか?
もちろん,その子その子によって症状の出方は様々ですし,症状があまりにも漠然としているので,
PTSD以外の病気のこともありますが,もし,そんな様子がお家の動物たちにみられた時は,まずは出来るだけ傍にいてあげて,優しくなでながら,落ち着いた声で「大丈夫だよ.傍にいるよ」と言ってあげてください.
この声かけ行為は,動物たちに安心感を与えるので,出来る限り繰り返し行ってください.
PTSDの症状が現れ始めた初期の段階では,この声かけ行為はとても大事です.
逆に注意していただきたいのは,初期の症状を放置してしまうと,ワンちゃんネコちゃんがより重度の症状(パニックを起こすなど)を呈するようになってしまうということで,絶対にやってはいけないことは,不安で騒いでいる子を叱ることです.
とにかく,優しく落ち着いて接してあげてください.

PTSDを解決していく手段は,今回のような大震災により脳内に刻み込まれてしまった恐怖体験ルートをこれ以上増幅して太くしてしまうことなく,面白くて嬉しくて楽しいルートをどんどん太くしていって,逆に恐怖体験ルートをどんどん凌駕して行き,ワンちゃん,ネコちゃんたちに自信を取り戻してあげることです.
そのためには,何よりもご家族の皆さんの笑顔ですよ!!笑顔が一番です.
たくさんたくさん一杯一杯褒めてあげてくださいね.
そして,ワンちゃん,ネコちゃんたちが大好きなご家族の皆さんとガッチリとした絆で結ばれていることを再認識してください.
だって,私たち自身がこの子たちにどれだけ助けられてきたかを一番よく知っているのですから.

1 件のコメント:

  1. 南と達也のママより2011年3月23日 19:02

    我が家の3歳になる猫も、地震の前触れからビクビクしています。
    カーテンに隠れたり、訳もなく腰を抜かしたような歩き方で、逃げ隠れしています。

    最近は食事もとってくれるようになりましたが、以前ほどの食欲ではないようです。

    先生のアドバイス通り、声がけをいっぱいしてあげようと思いました。

    ありがとうございます。

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